CSS3

CSS3 は、 CSS1やCSS2の内容を含みつつ新しいセレクタやその他の視覚的な表現が追加される予定である。正式勧告がいつになるかまだ不明だが、 Safari やChromeが利用するレンダリングエンジンのWebkit や Firefox 、Opera といったモダンブラウザでは、 CSS3に含まれるいくつかのプロパティを先行実装しているため、現時点でも実際にその表現を試してみることは可能だ。 たとえば、従来の手法ではHTML文書の構造次第で手順が煩雑 になるボックスの角丸表現は、 border-radius プロパティを使うことで簡単に実装できる予定だ。そのほかにもボーダーへの画像指定、マルチカラムレイアウト、複数背景画像の指定や背景画像のサイズ 指定、アニメーションやトランジションといった動きや変化など、これまでスタイルシートの指定だけでは困難をきわめた表現も比較的簡単に実装できるようになると考えられる。 さらに、これまでスタイルシートの適用先を指定していた media 属性が拡張され、 CSS3ではメディアクエリーが利用できるようになる。 これを使うと、デバイスの種別だけでなくビューポートの幅や高さなどをもとにして適用するスタイルを振り分けることができる。つまり、ウイ ンドウサイズが小さいスマートフォンなどでは別のスタイルを自動的に適用したりできるということになる。現実的な話を すれば、 CSS3が正式に勧告されたとしても圧倒的なユーザー数を誇るInternet Explorerの対応次第での実用ということになる可能性は高いが、業界全体がWeb標準技術の採用に流れているため、 今のうちからその状況を把握してテスト程度でも触れておくのがよいといえるだろう。